「過激な法則を連発していく土田浩翔でございますけれども」——そう名乗ったうえで、土田プロはこう続けます。自分としては過激でも何でもなく、麻雀の真理を伝えようとしているだけだと。そして今回は「得意中の得意の話」。だから「神懸かり度はより一層増す」とのことです。テーマは七対子。対子が4組できたら、両面形を撃退する——それを法則として取り入れよう、という回です。
「ツイスー」とは何か——対子が4組
まず言葉から。「対」に「四」と書いて「ツイスー」。「対戦車砲」のように「たい」と読む字ですが、ここでは「ツイ」と読みます。砕いて言えば、対子(ツイ)が4組(スー)になった状態のことです。
そして法則の中身は一文で言えます。対子が4組になったら、両面形を撃退していく。両面——たとえば六萬七萬のように、両側どちらが来ても順子になる形は、通常なら手の中でいちばん大事にされる形です。それを、対子が4組そろった時点で自分の手から払っていく。これが「両面撃退法」です。
自分の両面を切ると、相手の両面が入らなくなる
ここで土田プロは、この法則の効き目が自分の手だけにとどまらないと言います。両面形を撃退するというのは、もちろん自分の両面形の話も含みます。しかし同時に、「相手には両面が入らないよ」というシフトでもある、と。
「そんなの、偶然積まれているんだから分からないじゃないか」——そう思われるでしょう、と土田プロは先回りします。ところが、自分が両面を撃退し始めると、相手の手の中に構えている両面形が入らなくなる。だからこれは一石二鳥の作戦だ、というのが土田プロの主張です。理屈の説明はここまでで、動画ではすぐに具体的な手牌へ進みます。
実例①——六萬七萬の両面、なぜ七萬から切るのか
1つ目の手牌は、対子が4組できたところで、六萬七萬の両面形が残っているという形です。ツイスーですから、両面は切る。ここまでは簡単です。問題は六萬と七萬のどちらから切るか。土田プロの答えは七萬です。
理由は「対子好きの方にはもうお分かりですね」と言われます。手の中には九萬の対子があり、九萬の筋(9−6)が六萬。つまり六萬は筋対子の候補で、「また六萬を持ってくる可能性がたくさんある」。だから六萬は残し、七萬から切っていくのです。
筋対子については第5回・スジトイツのクラス分けで詳しく扱われています。対子と同じスジの牌は重なりやすい——七対子ではこれを軸に残す牌を決める、というのが土田流の基本線です。今回の六萬は、その筋対子を両面形の片割れの中から拾い出すという使い方になっています。
壁と重なりやすさ——一索より九筒
この手には、両面のほかに浮いている牌もあります。土田プロが比べたのは一索と九筒です。ここで材料になるのが八筒。八筒が「小さな壁」になっているので、一索より九筒のほうが重なりやすくなる可能性がある、と土田プロは言います。ちなみにこの局面のドラは八筒です。
そして念を押されるのが、六萬の扱いです。テンパイするまでは、この六萬を持っておく。「分かった?簡単でしょ」——ただし、そんなに筋対子を信用できるのか、と思う方には、やってみてくださいとしか言えない。本当にやってみないと、この快感は伝わらない。いつも口うるさく筋対子・筋対子と言っているけれども、「まあ来ますよ」とのことです。
筋対子どうしの比較——「新鮮素材」を残す
さて、ここからが「問題なのは」と前置きされる部分です。七萬を切ったあと、四萬が来ると困る。四萬は一萬の対子の筋(1−4)、つまりこれも筋対子の候補——土田プロの言い方では「これも筋ちゃんなんですよ」。六萬と四萬、どちらを優先するのか。
答えは覚えておいてください、と示されます。「対子作りは食材と一緒。新鮮素材を残す」。つまり後から来た牌を残して、先から手にあった六萬のほうを切る。同じ筋対子どうしの比較は、これで決めるのです。
ただし順番には柔軟さがあります。四萬より先に「一索を切ったほうがいいな」と思えば一索を切ればいい。そのあと対子が一つ重なって一向聴になったところで、「いや、これもいいな、これもいいな」と迷うなら、そこで六萬を切ればいい。新鮮素材の四萬を残しておくのがポイントです。
テンパイ——後からできた筋対子で待つ
首尾よく一索が重なってテンパイ。ここで土田プロが選ぶのは、四萬待ちのリーチです。
ここで一つ注意が添えられます。「ツイスーだから」と読んで四萬を待て、と言っているのではない、と。一萬の筋が四萬だから待つのです。たまたま六萬が最初から筋対子であったけれども、後からできた筋対子で「レッツゴー」とリーチをかけて、ツモる。「そんなのツモるわけない」と思う方は、やってみてください——というのが土田プロの締めです。
実例①をひとことで言えば、対子が4組できたら両面形を撃退する。両面のどちらを切るかは筋対子で決め、筋対子どうしなら新鮮素材を残す。そして待ちも、後からできた筋対子で取る、ということです。
実例②——四筒五筒を先に処理する
「これだけで理解できるとは思いません」と、もう一つ例題が用意されます。こちらも対子が4組——「わあ、ツイスーだ」と言って、両面形を払っていく手です。
両面形は筒子の四と五。索子にも四と五があって、これも一応は両面形に見えますが、ここは対子・対子なので切らない。切るのは四筒からです。五筒は赤なので「一応ですよ、一応ですよ」と四筒を先にしますが、四筒の次に五筒を切って構わない。
索子の七は筋対子。四索の対子の筋(4−7)にあたるので、七索を引いてくる可能性は、五筒を引いてくる可能性より高い。だから両面の四筒五筒を先に払い、七索は残す——という並びになります。
西と北、どちらから切るか——東南西北の順
この手には東・西・北もあります。東はドラなので、一応置いておく。問題は西と北の比較です。東がドラということは、北がドラ表示牌として1枚見えている。誰も切っていなければ、北はそこにしか出ていない状態です。
そこで土田プロは視聴者に問いかけます。どちらも1枚切れなら、普段どちらから切っていますか?親の位置によって変える——南家なら、下家の西から切るのか、向かい側の北から切るのか——と決めている人もいる。土田プロ自身は「単純に、東南西北の順で。迷ったときはそう整理する」とのことで、1枚切れどうしだから西、次に北という順です。
面白い考え方の人もいる、と紹介されるのが、ドラ表示牌に北がめくれているから、王牌にもう1枚北があるんじゃないかと考えて北から切る人。それはもう自由でございます、と土田プロは言います。ただし、この比較は必ずちゃんとしておかないといけない。そして何より大事なのは、四筒五筒を先に処理すること——「パッと見ると、みんなここに手がかかるんですよ」。四筒五筒ではないところから手をつけたくなる、というわけです。
一般論も撃退する
四筒五筒を整理しているうちに牌を引いてきて、ご機嫌になる。八索か九索か六萬が重なれば——という一向聴の形になります。この一向聴の段階で、ドラの東は切っておかなければいけない、と土田プロは言います。
ここで「一般論」が出てきます。八索・九索・六萬のどこに伸びるか、あるいは刻子になるかもしれない——そう考えるのが一般論です。そして一般論は牌効率に準じている。ツイスーの法則は、そういう考えごと撃退する。
4組目の対子ができたら、一直線に対子作りに励む。これが七対子のスペシャリストになる近道だ、と土田プロはまとめます。両面形を払うのは、その一直線から外れないためなのです。
まとめ:対子が4組できたら、両面を切る
- ツイスー(対四) … 対子が4組になった状態。ここが合図
- 両面撃退法 … 4組できたら、自分の手の両面形を払っていく
- 一石二鳥 … 自分が両面を撃退し始めると、相手の手に構えた両面形も入らなくなる
- 両面のどちらを切るか … 筋対子にあたるほう(九萬対子なら六萬)を残し、七萬から切る
- 筋対子どうしの比較 … 「新鮮素材」を残す。先からあった六萬より、後から来た四萬
- テンパイまで … 筋対子の候補は持ち切る。待ちは後からできた筋対子で
- 両面に見える対子 … 四索四索五索五索は「対子・対子」。切らない
- 字牌の順番 … ドラは一応置く。1枚切れどうしなら東南西北の順
- 一般論 … 牌効率に準じた「伸びるか」の発想ごと撃退する
七対子は「対子を6組作って待つ」手ですから、4組できた時点で残りは2組と待ちの1枚。そこから先の材料を、両面形ではなく筋対子と壁に求める——ツイスーは、その切り替えの合図を「対子4組」という数字で固定した法則だと編集部は受け取りました。「やってみないと、この快感は伝わらない」という言葉のとおり、まずは一度、七萬から切ってみるところからでしょうか。




