「牌効率と牌理、同じ意味でしょ?」——世間ではほぼ同義に使われるこの二語を、土田プロはきっぱり分けます。今回は土田システムの土台、土田流・牌理の理論編。次回の実践編とあわせた前後編の前半です。
牌効率——テンパイまでの最短距離を計算する
まず牌効率。これは世間一般の定義と同じで、どの牌を切れば最短でテンパイにたどり着くかという効率の話です。14枚から1枚切るとき、テンパイから逆算して、受け入れが最大になる一打を選ぶ。複合形を大事にしながら手を進める——ここに異論はありません。
土田流・牌理——数字の「性格」から待ちを作る
一方、土田流の牌理はまったく別の理論です。定義はこう——1から9までの数牌それぞれの性質を利用して組み合わせを作り、「上がりやすい待ち」を作る理論。テンパイの速さではなく、テンパイした後の上がりやすさから逆算する。だから出発点は、数字一つひとつの性格を知ることになります。
1と9——「縦の牌」
1と9は対称形で、同じ性質。数字の中でいちばん順子が作りにくい牌です。両面が生まれない。では役割は何か——雀頭、対子、暗刻、ポン。順子が「横」なら、対子・刻子は「縦」。1と9は縦型の牌なのです。
2と8——タンヤオの主役
2と8は片側しか両面になれず、順子要員としてはやや物足りない。しかしタンヤオでは使い勝手が抜群です。性質は1・9に似ていて、横に伸ばすより縦——対子にする、ポンするのが追い風になる。タンヤオ牌の中でいちばんポンしやすく、雀頭にも好適です。
3と7——順子作りの主役
そして3と7が、順子作りのキーパーソン。3に2がくっつけば一・四待ちの両面、4がくっつけば二・五。7に6なら五・八、8なら六・九——くっつくだけで、端に寄った上がりやすい両面がどんどん生まれる。両面の卵として、順子作りの主役に踊り出る牌です。
4と6——赤入りルールの準主役
4と6の現代的な価値は赤への適応力。4を持っていれば赤5が来て四五の両面、6でも五六の両面——赤の受け入れが抜群です。Mリーグをはじめ赤入りが主流のいま、3・7が主役なら4・6は準主役、主役の隣にいる人、と覚えてください。
5——順子作りは脇役、ただし待てば強い
最後に5。対称の相方がいない特別な牌ですが、順子要員としての評価は意外にも低い。理由は明快で、5の両面は必ず3・6か4・7を待つ形になる——つまり順子の主役・準主役を待ちとして消費してしまうからです。5絡みの両面が最後まで手に残ると、上がりにくい。
ところが、です。自分の待ちが5になったときは、上がりやすい。赤があるからという理由ではなく、牌の性質として5の待ちは強い——作りでは不利、待ちでは有利という二面性を持った牌なのです。
待ちの上がりやすさ——◎○△×
ここまでの性格論は、そのまま「どの待ちなら上がりやすいか」の序列になります。
最強は1と9。みんなが使いにくい牌だから、どんどん出てくる。次いで2・5・8——リャンウーパーのスジは上がりやすいので、両面でなくカンチャンでも自信を持ってリーチしていい。4・6はやや落ち、そして最悪は3と7。順子作りの主役は、裏を返せば誰もが使いたい牌——待ちに回った瞬間、出てこなくなる。3・7待ちのリーチは「上がれなくても仕方ない」と思いながら打つべし、とのことです。
まとめ:主役は使う、待ちは端へ
- 牌効率 … 最短テンパイの計算。牌理 … 上がりやすい待ちを作る理論
- 1・9 … 縦の牌。雀頭・対子・刻子で活かす
- 2・8 … タンヤオの主役。ポンと雀頭に好適
- 3・7 … 順子作りの主役。ただし待ちに回すと最弱
- 4・6 … 赤入りの準主役
- 5 … 作りは脇役、待てば強い
- 待ちの序列 … ◎1・9 > ○2・5・8 > △4・6 > ×3・7
3・7という主役に組み合わせを作らせて、待ちは1・9や2・5・8の端へ逃がす——これが牌理の設計思想です。次回は、この理論を実際の手牌に当てはめる実践編。牌効率と牌理で、切る牌がどう変わるのかをご覧に入れます。

