前編に続く、18代天鳳位・ヨーテルさんとの対談後編。テーマはついに本丸——「土田浩翔といえばチートイツ」のチートイツです。ヨーテルさんの質問は、講座系チャンネルを運営する者ならではの実戦的なもの。「メンツ手でも行けるし、チートイツも見える手。天秤にかけるのか、決め打ちか?」
答えは手牌ではなく「持ち点」にある
土田プロの答えは、質問の前提を外すものでした。「この答えは優しいんですよ。システム化すると、チートイツは迷わない」——判断基準は手牌ではなく、持ち点。配給原点からの増減で、3つのエリアに分けます。
プラス1万点以上:天秤をかけていい。字牌を切って、メンツ手との両にらみで素直に進める。
普通(大きな増減なし):天秤はかけない。チートイツは決めないと失敗する役——迷いが最大の敵です。
マイナス1万点以上:もっと簡単で、打点が上がらない選択をしてでもテンパイへ最短で向かう。タンヤオ付きにしない、ドラが重なる手ならドラすら切る。「ひどい」と驚くヨーテルさんに、「へこんでいる自分に、そんな都合のいい牌は来ないんだもん。裏ドラでショックを与える」と土田プロ。凹んでいるときほど、欲を捨てて裏の一撃に賭ける設計です。
プラスのとき、なぜ「かわし」ではないのか
ここでヨーテルさんが鋭く突っ込みます。「プラスのときの天秤って、かわし手の話ですよね?」——違うんです。プラス1万点以上あるときは、かわさない。本気で打点を積み重ねる。点棒が増えてエネルギーが満ちてきているときに、なぜ小さくかわす必要があるのか。ドーンと行く。親のリーチが来ても降りない——なぜなら。
トイツ場では、両面がカモになる
ここがこの回の理論的なハイライトです。両面待ちは8枚、単騎は3枚——普通なら比較になりません。ところが対子が増える場(トイツ場)では、この枚数の理が覆る。自分にチートイツが向かってくるようなツモが来ているとき、実は同卓の3人ほどに同じ質のツモが来ていて、両面だらけのピンフ手はまったくテンパイ牌を掴めない。
だから降りたらもったいない。相手が何待ちだろうと上がれない、ツモれない。「私の単騎を持ってきてくれるだろう、と思っていたほうが本当」——スジトイツのランクで語られた「数字のパワー」の世界観が、場全体のスケールに拡大した理論です。
スジは磁石。そしてリーチチートイツは「ツモるリーチ」
実戦の何切るでも、スジトイツ理論が実演されます。凹んでいるときは重なる見込みのない牌から切る、通常時は「一萬のスジの四萬は来やすい」「六萬の三スジ」——スジは磁石、引きつけ合って反発しない。「本当に引いてきやすい、という感覚で打てばいい。信じないとダメよ」。
そして仕上げの掟。チートイツの単騎は3枚しかないので、出アガリは期待しない——リーチチートイツは、ツモるリーチ。字牌単騎で出アガリを待ちたいならヤミテンにする。「リーチして字牌で待って、出して出して、って賭けでしょ。いやらしいじゃないですか。そういう役じゃないんです」。リーチをかけるなら、ツモって裏2枚の6400オール——
ヨーテルさんが知人のプロから聞いた実話も飛び出します。一発裏なしの公式戦でも、土田プロは打ち方を変えず、変な捨て牌からのリーチと変な単騎で上がり続けていた——ウケ狙いではなく、映像に残らない対局でも同じシステムで打っている、という証言です。
まとめ
- チートイツは持ち点で決める … +1万で天秤、普通は決め打ち、−1万は打点を捨てて速度
- プラス時はかわさない … エネルギーが満ちているときこそドーンと
- トイツ場は単騎断然有利 … 両面のピンフ手がカモになる
- スジは磁石 … 一萬の筋の四萬は来やすい。信じるものは重なる
- リーチチートイツはツモるリーチ … 字牌単騎で待つならヤミテン
チートイツは特殊な役ではなく、システムで打てば迷わない役——前後編を通して、その設計図が出揃いました。ヨーテルさんのチャンネルの数字派アプローチと合わせて読むと、立体視ができます。

