麻雀サロン土田浩翔の宇宙Tvヨーテル氏対談・前編

宇宙の法則アーカイブ 第8回

「麻雀は、差し上げ合うゲームなんですよ」——18代天鳳位・ヨーテル氏と語る前編

語り:土田浩翔 テキスト再構成:MCJ編集部 2026.08.15

今回はゲスト回。ネット麻雀「天鳳」の最高峰、18代天鳳位のヨーテルさんが宇宙Tvに来訪です。令和のデジタル戦術の体現者と、ザ・昭和を自称する土田プロ——「天鳳の方々との接点がどこにあるのか、非常に興味深い」という顔合わせは、意外なほど深いところで噛み合いました。

初心者には、まず「孤立牌」から教える

ヨーテルさんの最初の質問は指導論。「役と上がり方を覚えたくらいの初心者に、まず何から教えますか?」——土田プロの答えは孤立牌でした。麻雀は孤立牌の取捨選択の連続。1〜9の中で、どの牌をいちばん大事に扱うべきか、から話を始めるというのです。

1・2・8・9が両面になりにくいことは初心者でも感覚で分かる。大事なのは3から7の序列です。現代の赤入りルールでは5に寄せたくなるところですが、土田プロの答えは明快——赤を使いこなす4・6はもちろん大事、しかしその外側の3と7をもっと大事にしたほうが、上がりやすい待ちが生まれる牌理・理論編で整理した「3・7は順子の主役」が、初心者指導の第一歩にもそのまま据えられているわけです。

打点が上がると、上がりにくくなる

ここから話は核心へ。「麻雀は打点が上がっていくと、上がりにくくなるゲーム」——高い手は上がりたいけれど、上がれると思ってはいけない。テンパイしてリーチしても「上がれなくて普通だった」と思える打ち手が、初級から中級へ上がっていく。

「上がれない方が普通。上がれたら、なんて運がいいんだろう、ぐらいですよ」

ヨーテルさんが「リーチピンフ赤赤を流局すると悔しい」と漏らすと、「あらら、いやいや、普通は思うんですよ」と笑いつつ——その悔しさを手放すことが中級への入口だ、と。

両面にも格付けがある

その根拠が両面の格付けです。同じ両面待ちでも、上がりやすい両面と上がりにくい両面に分かれる。

両面の格付け:端に寄った一四・六九は出やすく、赤スジの三六・四七は警戒されて出にくい
狙いは一四・二五・五八・六九——端に寄った両面

相手が赤5を持っていれば、三・六や四・七は「当たったら高い」と警戒されて出てこない。だから赤スジの両面でリーチするときは「上がれたらラッキー」。狙うべきは一四・二五・五八・六九という外側に寄った両面——リーチの気合いは入れても、手牌を見る目は客観的に。この習慣が初級と中級を分けます。ちなみにカンチャンでも、2・5・8の間待ちなら上がれる期待を持ってリーチしていいとのこと。カンゴ(五待ち)は特に上がりやすい——5は対称の相方がいない特殊な牌で、みんなが持て余して河に出てくるからです。

「麻雀は、差し上げ合うゲームなんですよ」

後半、ヨーテルさんが押し引きの話題を振ると——「相手のリーチに、なんで放銃したくないの?」と土田プロが座り直します。そして出たのが、この対談いちばんの言葉。

「麻雀は奪い合うゲームじゃないんですよ。差し上げ合うゲームなんですよ」

自分が12000を振り込めば、相手はすごく喜んでくれる。相手の幸せを喜べない打ち手は、視野が狭くなる。「私の点棒は1000点でも払いたくない」が人間を小さくし、器の大きい人のほうが結果的に勝ちやすい——。そして実践的な指導論としても、イーシャンテンから安牌探しで手を壊す必要はない、初心者から中級者は、たくさん振らないと強くなれない。子どもに「そっちは危ない」と言い続ければ海を怖がる子になる。怖がらせない教え方のほうが、中級から上へ行くとき伸びる、と。

ヨーテルさんの見立てが的確でした——「カルト的なイメージを持たれがちですが、話を聞くとすごくデジタルというか、システム的なメンタルの安定のさせ方ですね」。土田プロの返答がまた率直で、「心が弱いからね、元々。だから若い頃から、デジタルに、システム的に解決していけばいいなという方向に行った」。放銃も点棒の増減も「起こって当然のこと」として全部肯定する——土田システムの出発点は、実は繊細なメンタルの自己防衛だったという告白です。

まとめ

  • 初心者にはまず孤立牌 … 3・7を大事にする感覚から教える
  • 打点が上がると上がりにくい … 高打点リーチは「上がれなくて普通」
  • 両面にも格付け … 端寄り(一四・六九など)は期待、赤スジ(三六・四七)はラッキー待ち
  • 2・5・8のカンチャンは強い … 特にカンゴは上がりやすい
  • 麻雀は差し上げ合うゲーム … 振って強くなる。器の大きさが勝率になる

ヨーテルさんのチャンネルでは、データと講座を軸にした戦術解説が展開されています。デジタルの目とこの回の思想、両方を持って卓へどうぞ。対談は後編・チートイツ編に続きます。

PRACTICE

差し上げる覚悟で、打ってみる。

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