「今日の宇宙の法則は簡単ですよ」——土田プロは冒頭でそう言い切ります。3分半ほどの短い回ですが、覚えることはたった一言。ダブルリーチはイゴクを通せ。イゴクとは一・五・九のこと。何を切っていいか分からないダブルリーチに対して、頼りにする牌をあらかじめ決めておく、という法則です。
前提——ダブルリーチには安全牌が無い
まず言葉から。ダブルリーチは、配牌をもらった直後、自分の最初の捨て牌でかけるリーチです。河にはまだ牌がほとんど並んでおらず、こちらは何の情報も持たないままテンパイを宣告されます。
土田プロもはっきり言います。「ダブルリーチに安全牌なんかありませんから」。安全牌があるなら話は別ですが、無いものは無い。だから多くの場合、自分中心に打っていく——つまり相手のリーチは脇に置いて、自分の手を進めるケースが多くなります。
ただ、それでは済まないときがある。攻められない、どうにもならない手でダブルリーチをかけられたときです。今回の法則は、そのときのためのものです。
イゴク——一・五・九、全部で9種類
イゴクは一・五・九。萬子の一・五・九、筒子の一・五・九、索子の一・五・九——合わせて9種類です。土田プロは、この9種類を「ダブルリーチがかかったらロンされにくい牌の代表」だと言います。
麻雀の牌は全部で34種類。そのうちのこの9種類は、手の中に多分あるはずです、とのこと。手牌のどこかに、一か五か九のどれかは入っている——だからこそ頼りにできる、というわけです。
大事なことなので3回、と言わんばかりに繰り返されます。そして「通るんだな、これがまた不思議に」。理屈ではなく、まず結論を覚えてくださいという語り口です。
怖いからといって、字牌を切らない
ダブルリーチがかかると、「うわあ」と思って字牌に手が伸びがちです。ここに土田プロは釘を刺します。「字牌切らないでください。イゴクなんです」。
通すのは字牌ではなく、一・五・九。反射で字牌を切るのではなく、手の中の一・五・九を探す——ダブルリーチを受けたときの最初の動作が、これで決まります。
赤い五でも、いい
ここで土田プロが手にするのは赤い五です。「じゃーん。切れないでしょう、あなた、赤いの」——普通なら惜しくて切れない赤ドラも、「これでもいいんですよ」。
理由は一つ。ほとんどロンされないから。五は五であり、赤かろうと通す牌に変わりはない、という扱いです。
1段目の河をイゴクでしのぐ
手の中の9種類を頼りに切っていく。あとの25種類は置いておいて、この9種類だけを見る。そうやって6巡ぐらい——1段目の河ぐらいを「セーフ」とやっているうちに、状況が変わってくると土田プロは言います。
みんなが通してくれるからです。自分がイゴクでしのいでいる間に、ほかの人が「これも通る、あれも通る、それも通る」と、通る牌を増やしてくれる。そうなれば少し楽になるかな、と。
つまりイゴクは、ダブルリーチに対して局の最後まで戦うための牌ではなく、序盤を切り抜けるための牌です。最初の6巡さえ持ちこたえれば、あとは河が教えてくれる。頼りにする期間を「1段目」と区切っているところが、この法則の実戦的なところでしょう。
「何が当たるか分からない」という方へ
「とにかくダブルリーチには、1や5や9は当たらない。不思議なことに」——これが土田プロの結論です。
もちろん、「何が当たるか分かんねえじゃねえか」という方もいるでしょう。それに対しては「お試しください」。そして「もし間違っていたらお返しします。何を返せばいいのか分かりませんが、商品をお返ししますんで」と笑いを添えます。
信じられない方は、ダブルリーチがかかったときに、この言葉を思い出してください——「あいつ言ってたな。宇宙の法則で、ダブルリーチはイゴクが通るんだよって。1と5と9」。
最後は復習です。「ダブルリーチは——」「イゴクを通せ」。「はい、よくできました。もう大丈夫。ダブルリーチなんか怖くない」。
まとめ:ダブルリーチはイゴクを通せ
- 法則 … ダブルリーチはイゴク(一・五・九)を通せ
- 9種類 … 萬子・筒子・索子それぞれの一・五・九。34種類のうち、ロンされにくい牌の代表
- 手の中にある … この9種類は、多分手の中にあるはず
- 字牌 … 怖いからといって切らない。通すのはイゴク
- 赤い五 … 赤くても同じ。ほとんどロンされない
- 安全牌 … あれば別。ただしダブルリーチに安全牌は無い
- 使いどころ … 攻められない、どうにもならない手のとき。それ以外は自分中心に打つケースが多い
- 期間 … 6巡ほど、1段目の河まで。そのうちに他家が通してくれて、楽になる
なぜ一・五・九なのか——この回で、その理屈は語られていません。「不思議なことに」と土田プロ自身が言うとおり、理由より先に結論を渡す回です。安全牌の無い場面で、迷う時間を無くすために「通す牌」をあらかじめ9種類に決めておく。編集部としては、そういう迷いを消すための法則だと受け取りました。




