Mリーグ観戦中、実況が「場風が出ましたね」「自風です」「オタ風だから」と言うたび、頭に小さな「?」が浮かぶ——そんな方のための回です。風牌(フーパイ)、つまり東・南・西・北。同じ南なのに、役がつくときとつかないときがある。その仕組みを、土田プロが一枚の札から解きほぐします。
場風——テーブルの上の「あのマーク」が全てを語る
ゲームが始まるとき、最初の親の右端に置かれる小さな札があります。片面に「東」、裏面に「南」——起家(チーチャ)マークです。実はあれ、飾りではなく「いま場風は何か」のお知らせなんです。
全員が親を1回ずつやる1周目(東場)の間、マークは東のまま動かしません。この間は東が場風——誰が東を3枚揃えても(ポンでも)役がつきます。全員の親が1回ずつ終わったら、マークをひっくり返して南へ。2周目(南場)は南が場風になり、今度は南が全員の役牌に昇格します。
「なんでその南で役がつくの?」と聞かれたら、答えは一言——「場風だから」。親が誰に移ろうと、場風は変わりません。マークを見れば、いつでも現在地が分かります。
自風——親の位置で決まる、自分だけの風
もうひとつの風が自風(ジカゼ)。こちらは全員共通ではなく、親の位置によって一人ひとり決まる風です。
ルールは一つだけ。親が東。そこから右回りに、南・西・北。親の右隣が南家、向かい側が西家、左隣が北家です。自分の自風の牌を3枚揃えれば、それも役になります。
面白いのは、親が移るたびに全員の風向きが変わること。さっきまで西家だった人が、次の局では南家になる。自分の自風が分からなくなったら——土田プロの合言葉です。「自風は親を見ましょう」。親の位置さえ確認すれば、東南西北の右回りで自分の風が出ます。
オタ風——揃えても、何も起きない風
最後がオタ風。定義は簡単で、場風でも自風でもない風牌のことです。
たとえば東場で自分が北家なら、場風は東、自風は北。残った南と西がオタ風です。オタ風は3枚揃えても役がつきません。だから解説が「オタ風だから」と言うのは、「あの牌は抱えていても役にならないので、安全に切りやすい/切られやすい」という文脈なんですね。
ボーナスステージ——場風と自風が重なる「ダブ南」
ここで一つ、おいしい話。南場に入って、自分が南家だったら? 場風も南、自風も南——重なります。この状態の南は、3枚揃えると場風1役+自風1役の2役。いわゆるダブ南です(東場の親の東ならダブ東)。
同じ「南」という牌が、局面によって2役にもゼロ役にもなる。風牌の価値は牌そのものではなく、マークと親の位置という「状況」が決める——ここが分かると、字牌の扱いが一気に立体的になります。
まとめ
- 場風 … 起家マークが示す全員共通の風。東場は東、南場は南。マークを見る
- 自風 … 親=東から右回りに南・西・北。親が移れば変わる。親を見る
- オタ風 … どちらでもない風。揃えても役なし
- ダブ東・ダブ南 … 場風と自風が重なれば1牌で2役
合言葉はふたつ。場風はマークを見る。自風は親を見る。これだけで、実況の風の話は全部ついていけます。

