いまあなたが打っているリーチ麻雀は、中国で生まれた原型が日本で独自進化した「日本式」です。麻雀がどこから来て、どうやって国民的ゲームになり、なぜいま再ブームなのか。歴史を知ると、ルールの一つひとつに理由があることが見えてきます。

麻雀の直接の祖先は、中国の紙札ゲーム「馬吊(マーディャオ)」などのカードゲームだと考えられています。これが牌(タイル)の形になり、19世紀後半の清代に現在の麻雀の原型が成立しました。寧波の役人・陳魚門が整理したという説が有名ですが、諸説あります。索子が「銭を通した縄」、筒子が「銭」、萬子が「万貫」――牌のデザインには、お金を数える古いカードゲームの名残がそのまま残っています。

日本には明治末〜大正期に伝わり、大正末から昭和初期にかけて最初の麻雀ブームが起きます。文化人が愛好したのが特徴で、1929年には文豪・菊池寛を初代総裁として日本麻雀連盟が発足。カフェーと並んで麻雀倶楽部が都市の社交場となりました。当時のルールは現在と異なるアルシーアル麻雀で、リーチはまだ存在しません。

現在のリーチ・ドラ・裏ドラを備えた「リーチ麻雀」は戦後に定着した日本式ルールです。高度成長期にはサラリーマンの国民的娯楽となり、雀荘は全国津々浦々へ。阿佐田哲也『麻雀放浪記』に代表される麻雀小説、『近代麻雀』などの専門誌、そして1970年代からのプロ団体設立(→ 麻雀団体一覧)と、独自の麻雀文化が花開きました。

平成に入ると娯楽の多様化で雀荘は減少しますが、代わりに2つの潮流が麻雀を再生させます。ひとつは「賭けない・飲まない・吸わない」の健康麻雀。シニアの生涯学習として広がり、ねんりんピックの交流種目にもなりました。もうひとつがネット麻雀と2018年のMリーグ発足。麻雀は「観るスポーツ」になり、若い世代・女性ファンが一気に増えました。完全禁煙・ノーレートの新しいタイプの雀荘やサロンが増えているのも、この流れの中にあります。
